昔はあんなに好きだった「青春ミステリ」というジャンルを
最近読めなくなってきてて
(学園BLはいまでも最愛だけど)
これも迷ったんだけどおもしろかったです。
青春というより家族もの。
さわやかなようでいて、どこかじっとりとしてるのが
近藤節だなあという感じ。
「貧乏の神様 芥川賞作家困窮生活記」
がどこかで話題になっているのを見て
そういえば読んだことないなと思って図書館で借りた。
なんかすごい、このひと病んでるぞ!っていう、
ある意味すごく「芥川賞作家」
あとすごいなと思ったのが、
作家ってこんなに編集者さんに迷惑かけるんだってこと。
自分が妊娠して子供産むとか、
大事なひとがガンだとか、
そういうことでいちいち編集者さんに連絡して
資料集めてもらったり病院紹介してもらったり
新生児に必要なもの買い揃えてもらったりってすごい。
どういう意識があるとそういうことができるんだろう。
作家のプライベートと編集者さん関係なくない?
---
どこで見たんだったかなー、いまは本のタイトルって
検索ワードに引っかかるようなのじゃないとだめで
「火花」なんて
(内容がわからないし検索かけたら無数にヒットするみたいな)
タイトルは純文学でしか許されない
みたいななにか目にしたんだけど
「貧乏の神様 芥川賞作家困窮生活記」と「命」がまさにそれそのものだなと思った。
ランチのアッコちゃん (双葉文庫)
2016年6月3日 一般読書(活字)図書館で文芸春秋借りて読んだ。
(単行本の予約はいっぱいだけど
文芸春秋はすぐに借りられた)
売れない芸人徳永は、師として仰ぐべき先輩神谷に出会った。そのお笑い哲学に心酔しつつ別の道を歩む徳永。二人の運命は。
あらすじから想像するとおりの話。
わたしは方言を文章で読むのが苦手で(=方言萌えがない)
純文学が苦手なので
「はー……」
としか思えなかったけど、
あ、そう、オチだけはヒエッて思った。
先輩芸人の神谷が、失踪するか死ぬかどっちかだろうなと思ったけど、
いや一度は失踪したんだけどとんでもないことになって帰ってきた。
エログロというかホラーというか、とにかくヒエッとなる感じも、これは純文なのかなー。
普段純文読まないからわかんないけどインパクトだけは強烈だった。
芥川賞ってイメージとして
「凡人の主人公が奇天烈でヤバイ人と出会って
その人に平然と寄り添って短い時間を過ごして
けれどその人が死ぬか消えるかしてそこはかとない喪失感を抱えまた生きていく」
みたいなテンプレがある気がするんだけどほぼそういう話。
なんだろ、「凡人なのに超人と生きた特別なわたし」みたいな高尚な中二みを感じる。
異論は認めます。
きょうの日はさようなら (集英社オレンジ文庫)
2016年5月14日 一般読書(活字)
すごくよかった!
BL作家さんの一般作にはおおむね懐疑的で
あまり手に取らないんだけど
これは本当にすごくよかった……。
あらすじ読んで、どうせこの今日子っていう従姉が実は
お母さんだったりするっていうオチなんだろうなって思ってたんだけど違った。
1978年生まれの17歳にしては今日子の語る当時がちょっと古いような気もするし、
この手の話には絶対に必要な「衝撃の事実」も、
急にフィクションさが濃くなってエッていうかんじになりはしたんだけど
舞台がほんのちょっと未来(2025年)だと思うと
「そうだった近未来モノだった」と納得できるし、
なにより明日子も日々人も今日子もいい子でな―――――!
それぞれイマドキの高校生で、言葉とかやりすぎなくらい汚いんだけど
それでも高校生の精一杯のすごくいい子だった。
タイトルもすごくいいなー。
あと中途半端なニアBLじゃなくて、
徹底して明日子と今日子の話だったのもさわやかでよかった。
一穂さんとはカップリングの好みがあまり合わないので
(好みの年下攻があれば読みたいと常々思っている)
文章は好きでもデビュー作以降すすんで読まなかったんだけど
またなにか読んでみようかな。
BL作家さんの一般作にはおおむね懐疑的で
あまり手に取らないんだけど
これは本当にすごくよかった……。
明日子と双子の弟・日々人は、歳の近い従姉がいること、彼女と一緒に暮らすことを父に知らされる。
夏休みに面倒ごとが増えて二人ともうんざりだ。けれど、従姉――今日子は、長い眠りから目覚めたばかりの、三十年前の女子高生で…。
あらすじ読んで、どうせこの今日子っていう従姉が実は
お母さんだったりするっていうオチなんだろうなって思ってたんだけど違った。
1978年生まれの17歳にしては今日子の語る当時がちょっと古いような気もするし、
この手の話には絶対に必要な「衝撃の事実」も、
急にフィクションさが濃くなってエッていうかんじになりはしたんだけど
舞台がほんのちょっと未来(2025年)だと思うと
「そうだった近未来モノだった」と納得できるし、
なにより明日子も日々人も今日子もいい子でな―――――!
それぞれイマドキの高校生で、言葉とかやりすぎなくらい汚いんだけど
それでも高校生の精一杯のすごくいい子だった。
タイトルもすごくいいなー。
あと中途半端なニアBLじゃなくて、
徹底して明日子と今日子の話だったのもさわやかでよかった。
一穂さんとはカップリングの好みがあまり合わないので
(好みの年下攻があれば読みたいと常々思っている)
文章は好きでもデビュー作以降すすんで読まなかったんだけど
またなにか読んでみようかな。
はぶらし (幻冬舎文庫)
2016年4月12日 一般読書(活字)ドラマ化してて気になってたんだけど
結局見られなかったから原作読んだ。
オチらしいオチがなくて、
図々しい水絵にいらいらしながら読み終えて
もやっとしたまんまだった。
イヤミスと思えばこれでいいのかもしれないけど、
最終報告がなかったキチママまとめブログの長文記事を読んだような気分。
スカッとするようなオチがあってほしいわけでもなかったけど
「ええー」っていう後味の悪さでもいいからなにか残してほしかったなー。
それからはスープのことばかり考えて暮らした (中公文庫)
2016年4月7日 一般読書(活字)
やってる曜日も時間もさだかではないのに
テレビつけるとやってるからなんとなく見てしまう番組
ってあると思うんだけど、最近はこのドラマがそれだった。
見ようと思ってたわけじゃないから
途中ごっそり見てない部分もあったし
原作が気になったから読んでみた。
同じテーマをもっと衝撃的にエンタメ的に
書ける作家さんとかもいそうだなあと
(恩田さんとか?)思うのは
わたしがエンタメ慣れしてるせいだろうなー。
このテーマをこう書くから「文学」なんだなと思った。
「提供」とかのことも
「ご存知でしょうけど」みたいな語りかたで
どんなことしてどうなっているのかは細かく描かれない。
ドラマのほうはもっと原作をどろっとさせて
現代的なエンタメにしてるなーというかんじ。
単行本一冊の作品を10回前後のドラマにするのだから
それは相当あいだを引き伸ばさないといけないわけで、つまり
「行間を全部事細かに解説しました!(作者じゃないひとが)」
みたいな?
ドラマはじまる前に
「世界初連続ドラマ化!」
って宣伝してたけど
映画化はされてる作品だけど連続ドラマにしたのははじめてです!
ってことで、そんなのわざわざ言うことじゃなくね?詐欺みたいな表現じゃね?と思った。
テレビつけるとやってるからなんとなく見てしまう番組
ってあると思うんだけど、最近はこのドラマがそれだった。
見ようと思ってたわけじゃないから
途中ごっそり見てない部分もあったし
原作が気になったから読んでみた。
同じテーマをもっと衝撃的にエンタメ的に
書ける作家さんとかもいそうだなあと
(恩田さんとか?)思うのは
わたしがエンタメ慣れしてるせいだろうなー。
このテーマをこう書くから「文学」なんだなと思った。
「提供」とかのことも
「ご存知でしょうけど」みたいな語りかたで
どんなことしてどうなっているのかは細かく描かれない。
ドラマのほうはもっと原作をどろっとさせて
現代的なエンタメにしてるなーというかんじ。
単行本一冊の作品を10回前後のドラマにするのだから
それは相当あいだを引き伸ばさないといけないわけで、つまり
「行間を全部事細かに解説しました!(作者じゃないひとが)」
みたいな?
ドラマはじまる前に
「世界初連続ドラマ化!」
って宣伝してたけど
映画化はされてる作品だけど連続ドラマにしたのははじめてです!
ってことで、そんなのわざわざ言うことじゃなくね?詐欺みたいな表現じゃね?と思った。
食堂かたつむり (ポプラ文庫)
2016年1月17日 一般読書(活字)
アウトプットのためのインプットに、
推理小説とかよりも
女性作家さんのほのぼのした作品を読もうと思って
図書館で借りた。
なんとなく、梨木さんの『雪と珊瑚と』みたいな本かなって
思ったんだけどだいぶ違った。
結論からいうとあんまり好きじゃなかった。
一日ひと組の客を迎える食堂の話なんだけど
食べ物の描写がそれほどおいしそうじゃないのが致命的だったなー。
味の想像がぜんぜんできない。
そもそも、まだ食堂を開く前の、
ヒロインが実家のある田舎に帰って来るところの描写で「だめかも」って思った。
「途中でおしっこがしたくなり、草の茂みで用を足す」
これ必要?!?!??
なんか一気に引いた……。
あとその田舎から見える山が「おっぱい山」っていうのも
なんでそのネーミングじゃないといけなかったのかなって……。
でも思うに、結局、
わたしは『雪と珊瑚と』みたいなハートフルであたたかくて穏やかな話を想定してたけど、
実際の話は、もっとこう「大自然の恵み」みたいなことを書いていたんだろうなと。
最初から大自然の恵みみたいな話ですって言われてれば
女の子が唐突に草むらで用を足しても山の名前がおっぱいでも
「母なる大地な……」って思ったかもしれない。どうかな。わかんないけど。
だけどこのひとの文章と大自然の恵みって相性が悪いんじゃないかなあ。
良くも悪くもYA作家っぽい甘ったれたかんじの平易な文章だから
テーマとちぐはぐな印象があった。
いやそれもわたしがいろいろ勘違いをしていたせいなのかもしらんが。
だから、この作品がイタリアで賞を取ったっていうのはなんとなく納得。
このひとの文章で読むより、翻訳された文章のほうが正しく物語が伝わる気がする。
あまぞん見たらレビューが絶賛と酷評でおもしろいことになってた。
そういえば巻末に謎のほも小説がついてたけどそれもべつに好みじゃなかった。
推理小説とかよりも
女性作家さんのほのぼのした作品を読もうと思って
図書館で借りた。
なんとなく、梨木さんの『雪と珊瑚と』みたいな本かなって
思ったんだけどだいぶ違った。
結論からいうとあんまり好きじゃなかった。
一日ひと組の客を迎える食堂の話なんだけど
食べ物の描写がそれほどおいしそうじゃないのが致命的だったなー。
味の想像がぜんぜんできない。
そもそも、まだ食堂を開く前の、
ヒロインが実家のある田舎に帰って来るところの描写で「だめかも」って思った。
「途中でおしっこがしたくなり、草の茂みで用を足す」
これ必要?!?!??
なんか一気に引いた……。
あとその田舎から見える山が「おっぱい山」っていうのも
なんでそのネーミングじゃないといけなかったのかなって……。
でも思うに、結局、
わたしは『雪と珊瑚と』みたいなハートフルであたたかくて穏やかな話を想定してたけど、
実際の話は、もっとこう「大自然の恵み」みたいなことを書いていたんだろうなと。
最初から大自然の恵みみたいな話ですって言われてれば
女の子が唐突に草むらで用を足しても山の名前がおっぱいでも
「母なる大地な……」って思ったかもしれない。どうかな。わかんないけど。
だけどこのひとの文章と大自然の恵みって相性が悪いんじゃないかなあ。
良くも悪くもYA作家っぽい甘ったれたかんじの平易な文章だから
テーマとちぐはぐな印象があった。
いやそれもわたしがいろいろ勘違いをしていたせいなのかもしらんが。
だから、この作品がイタリアで賞を取ったっていうのはなんとなく納得。
このひとの文章で読むより、翻訳された文章のほうが正しく物語が伝わる気がする。
あまぞん見たらレビューが絶賛と酷評でおもしろいことになってた。
そういえば巻末に謎のほも小説がついてたけどそれもべつに好みじゃなかった。
最近挫折続きだった恩田陸を
久し振りに最後まで読めた。
最後に唐突に「!!?!?!」ってなって
置き去りにされる感がすごかったけど
そこまではすごくおもしろかった。
たぶん読解力のある人なら
最後までおもしろかったんだ……
出てすぐ買ったのに気がつけば読む前に文庫落ちしてた。
というわけで読んだ。
これが「こわい」といわれる理由はわかったし
理屈として「それはたしかにこわいな」と思ったけど
自分の身に迫る怖さは感じなかったので
わたしはやっぱりホラーに向いていない。
初読み作家さん。
前から気になってて
一冊くらい読んでみたいと思ってた。
面白かった。
---
ちなみにこの本は、職場で
「楽園のバカンスっていう本ありますか」
って訊かれて検索したけど当たらなくて
いろいろ話を聞いてやっと辿り着いたというトラウマがある。
そういえばこの作者さんに関してはもう一件、
「この本の続きを読みたい」っていう問い合わせを受けたことがあった。
話を聞くと
「完結してると思ったら終わってなかった。
下巻があるはずだから探してくれ」
っていうことだったのね。
知らない作品だったから「そうなんですかー」つって探したけど、
下巻とか続巻とか2巻とか冠してるものはヒットしない。
返してもらった本の奥付見たら、
「日本ラブストーリー大賞を受賞したデビュー作」って書いてあるのね。
これたぶん続き物じゃないじゃん。完結してるじゃん。
やんわりとそういうふうに話したら
「えっ終わってるの!? じゃあうしろのページ切り取られてるんじゃない!!?!?」
って言うからこっちもさすがに
「えっそんなに中途半端なんですか!!?」
って返しちゃったよね。
そうだ、だから今度それも読もうと思っていたんだ。
そのひとに読解力がないのか本当にそういう仕様なのか気になるよね。
「カフーを待ちわびて」(メモ)
たまに読みたいイヤミス。
ということで沼田まほかる初読み。
よく考えると後味悪いなーっていうか
うーん、なにも解決してないなーっていう。
いま書いてすごくすっきりした。
なにも解決してないんだ。
事実だけが綴られててそれだけだった。
意外なこともなにもなかったなー。
序盤、主人公がずっと
「手記を書いたのは父かもしれない」
って疑ってるんだけど、表紙が明らかに女の人だし
どう読んでも女の人の文章で逆になんでおまえお父さんだと思えたの?
せめてラストで主人公の彼女になんか重大なオチが秘められてたりすれば
印象に残ったかもしれないけど、とにかく薄味だった。
お母さんの正体も、出てきた瞬間に「こいつだ」ってわかるじゃん。
「主人公に恋愛感情を持っているかもしれないずっと年上の女」
っていうミスリードぜんぜん効いてなかった。
ざんねん。
オレたちバブル入行組
2015年10月20日 一般読書(活字)たまには流行に乗ってみる。
ただし遅い。
虐げられてからの悪役ざまあ展開って
BLにおける攻ざまあwwwと同じような
すっきり感が得られるっていう
現代版勧善懲悪みたいなそういう?
個人的には「土下座」っていうのがそれほどスッキリ感を呼ばないので
(いたたまれなくない?)
最後で「べつに土下座してくれなくても……」と思ったのが大きくて
次は読まないかなあと。