萩大名

2001年10月7日
祖父母と国立能楽堂へ行って参りました。
前の日あまり寝ていなかったので、爆睡です。
熊坂・萩大名・井筒・錦木を見ました。
錦木の舞が長いこと長いこと。私が習ってるのと流派が違うのでよくわからなかったのですが、多分あれって男舞。だったら三段くらいで終わるはずなのに、余裕で七段近く舞ってました。特殊演出なんでしょうか。アンタそりゃ笛方が大変。

ところで「萩大名」という狂言はオススメです。
狂言って大体太郎冠者がちょっとバカだったり小利口だったりして主人に叱られるんですが(そうか?)これは逆でした。
大名がバカなんです。

ストーリーはこんな感じ(あくまでイメージですわ)
太郎冠者(家来)がよく見るという庭に、大名が萩を見に行きます。
<出掛ける前>
太郎冠者「向こうでは多分当座に歌を詠むように言われると思います」
大名「え? 歌? 歌なんかできないよ」
太郎冠者「・・・大丈夫です。こう言って下さい『七重八重 九重とこそ思いけれ(・・・歌後半忘れました)』」
大名「・・・そんな長い文章覚えられない」
太郎冠者「長くありません。・・・まったく可哀相なくらい頭の弱い方ですね。何かになぞらえれば覚えられますか? ではこうしましょう。私がこの扇の筋を七本八本と見せます。それで七重八重。それから・・・」

<庭到着>
大名「これが太郎冠者がいつも見ている庭なの? 綺麗だねえ」
太郎冠者「そうですね」
大名「亭主? あの石は海のものですか? 山のものですか?」
庭の亭主「は、山のもので」
大名「そうだよねえ。山だと思ったんだ。ねえねえ太郎冠者? あの石の上にぽっこりでっぱってるところがいいよねえ」
太郎冠者「ええそうですね」
大名「あのでっぱってるところをさ、ポキッて折ってね、持って帰って火打ち石にしたらきっと具合がいいよ!」
太郎冠者「!! 御亭主に聞こえます! そのようなことをおっしゃってはいけません」
大名「はあい。太郎冠者? あの、あっちに見える赤いのはなあに?」
太郎冠者「あれが萩ですよ」
大名「綺麗だねえ」
太郎冠者「ええそうですね」
大名「ねえねえ、ここの手前の白い石にさ? あの赤い萩の花をパアッて散らしたらさ? ふふふっ、お赤飯みたいだよね! ハハハッ」
太郎冠者「!! 御亭主に聞こえます! そのようなさもしいことを・・・」
庭の亭主「そろそろ当座を」
大名「は? トーザ?」
太郎冠者「歌です・・・!」
大名「あッ、そう。歌ね。じゃあ、詠もうか太郎冠者?(合図よろしく)」
太郎冠者「ええ、そうなさいませ(扇の筋を見せる)」
大名「ええーと・・・『七本八本』!」
庭の亭主「・・・七本八本?」
太郎冠者「!! 『七重八重』でしょうが・・・!」
大名「あ! 今のは違います。違うんです。本当は『七重八重』ですっ」

それで歌の前半はどうにか教えてもらうのですが、途中で太郎冠者が「あのお方は少し恥ずかしい思いをなさった方がいいのだ」とどっかへ行ってしまうのです。「次はー」と振り返ったら太郎冠者がいなくって大名はオロオロ。庭の亭主に歌の続きを執拗に迫られ「太郎冠者がいないと詠めません〜」「足りないならもう一回同じの繰り返せばいいじゃん〜」「十重咲きいずるーーーーーーって足りるまで伸ばせばいいじゃん〜」とか逃げまくる。

ちゅーようなのが萩大名です。
バカが・・・バカが愛しい(笑)

○読んだマンガ
いなだ詩穂『ゴースト・ハント 6』(講談社/01.10)
怖いよう。怖いよう。
これって今雑誌掲載なしで描き下ろしなんですよね? でも扉絵もちゃんとあって読みやすい。
ああやっぱりぼーさんがステキvv 定職に就いてなくてもいいからお嫁にもらって下さい(笑)
悪霊シリーズも新装版が出るって話を小耳にしたのですが、本当に出るのかなー。出たら買おうと思っているのだけど。それとも、あの背表紙のミドリイのがそれなんでしょうか?

そういえば昔本屋(まんだ○け・笑)のポップに「頭文○Dがドラマ化!」って書いてあったことがあったのだけど、それも嘘だったのかしら・・・。いややられても困るのでいいのだけど。

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