『そして粛清の扉を』
2001年6月9日○読んだ本
黒武洋『そして粛清の扉を』(新潮社)
第一回ホラーサスペンス大賞受賞作。すごいですね、賞金はいっせんまんえんです(←俗物)
面白かったです。一気に読めました。
女教師が、担任するクラスの生徒を全員人質にとって、次々殺していく、というすごい話。
表面的な部分は(子供がザクザク死んでいく)確かに選評で審査員の方が言っていたように『バトル・ロワイヤル』を思い出させます。でも、バトロワはファンタジーに近くて、設定自体は「今の日本ではありえないこと」だったのに対して、『そして〜』は明日起こってもおかしくないかもしれない、リアルな物語でした。
というか、そもそも、二つの物語は、過激さが似通っているだけで、共通点はほとんどないと思うのですが。テーマが全然違うし。
私はこの本、『少年たちの密室』(古処誠二/講談社)に近いと思ったのですが。現代の学校とか、教師と生徒とか、子供とか大人とか少年法とか、そういうところが書かれていたという点ではテーマとして近いのはこっちだなあと。
そして、ラストがとてもホラーでした。ホラーマンガとか小説とかって、一見事件が終わったように見えて、実はまだなのよ、という不気味な終り方をするのが多いですよね。そういう感じで。
私としては、生徒のひとり、奥村進太郎くんがもっと頭を使って先生と対峙してくれたら(しかも敵の白井と連係プレーとか見せてくれたりしてくれたら・笑)楽しかったのにと思うのですがね。外見描写が一番細かかったように思ったので、もっと活躍するのかと思ったのに残念でしたー。
彼に限らず、もっと枚数つかって、生徒個人の事情なんかも細かく書きいれたら、よりリアルになって『屍鬼』(小野不由美/新潮社)レベルで怖かったんじゃないかと。
あと気になったのは、地の文固いのに時々「お腹」とか「お札」とかいう柔らかい言葉が混ざったこと・・・(笑)細かいけど気になった。「腹部」「紙幣」とかの方が合ってたと・・・ゲフゲフ。
でも、読み出したら止まらない面白さってやっぱりすごい。それだけの引力がある本を書ける人ってすごいと思いました。
黒武洋『そして粛清の扉を』(新潮社)
第一回ホラーサスペンス大賞受賞作。すごいですね、賞金はいっせんまんえんです(←俗物)
面白かったです。一気に読めました。
女教師が、担任するクラスの生徒を全員人質にとって、次々殺していく、というすごい話。
表面的な部分は(子供がザクザク死んでいく)確かに選評で審査員の方が言っていたように『バトル・ロワイヤル』を思い出させます。でも、バトロワはファンタジーに近くて、設定自体は「今の日本ではありえないこと」だったのに対して、『そして〜』は明日起こってもおかしくないかもしれない、リアルな物語でした。
というか、そもそも、二つの物語は、過激さが似通っているだけで、共通点はほとんどないと思うのですが。テーマが全然違うし。
私はこの本、『少年たちの密室』(古処誠二/講談社)に近いと思ったのですが。現代の学校とか、教師と生徒とか、子供とか大人とか少年法とか、そういうところが書かれていたという点ではテーマとして近いのはこっちだなあと。
そして、ラストがとてもホラーでした。ホラーマンガとか小説とかって、一見事件が終わったように見えて、実はまだなのよ、という不気味な終り方をするのが多いですよね。そういう感じで。
私としては、生徒のひとり、奥村進太郎くんがもっと頭を使って先生と対峙してくれたら(しかも敵の白井と連係プレーとか見せてくれたりしてくれたら・笑)楽しかったのにと思うのですがね。外見描写が一番細かかったように思ったので、もっと活躍するのかと思ったのに残念でしたー。
彼に限らず、もっと枚数つかって、生徒個人の事情なんかも細かく書きいれたら、よりリアルになって『屍鬼』(小野不由美/新潮社)レベルで怖かったんじゃないかと。
あと気になったのは、地の文固いのに時々「お腹」とか「お札」とかいう柔らかい言葉が混ざったこと・・・(笑)細かいけど気になった。「腹部」「紙幣」とかの方が合ってたと・・・ゲフゲフ。
でも、読み出したら止まらない面白さってやっぱりすごい。それだけの引力がある本を書ける人ってすごいと思いました。
コメント